当レポートは海外のレポーティング動向を把握する目的で、毎年1月にスイスのダボスで開催される会議で発表される「世界で最もサステナブルな会社」100社から条件に合致する92社(前編ご参照)のサステナビリティ関連レポートを調査し、基本・形式情報からマテリアリティの開示などの内容面等、分析した。日頃、日本の統合報告書を読んでいて、統合報告フレームワーク に基づく6つの資本、価値創造プロセスやマテリアリティなどの仕掛けを効果的に活用できているのだろうかという疑問が浮かぶことがある。この疑念を背景に、前編では92社の形式調査と第三者保証の状況という基本事項について分析したが、後編である今回は、これらのうち件数の多かったESRS基準をきっかけにマテリアリティ分析手法を含め、マテリアリティについて考察する。統合報告書が少数派となるこの海外92社のレポートを分析することで、逆説的に統合報告書におけるマテリアリティの意義を再構築してみたい。
調査サマリー
■GRIとSASBへの言及は6-7割台、 GRI/SASBインデックスは4割程度、ISSB(IFRS S1、S2含む)への言及は4割程度を占める一方、統合報告フレームワークへの言及は1割程度
■ESRS適用レポート以外でもマテリアリティの記載においてインパクト・リスク・機会(IRO)分析は4割程度、バリューチェーン分析は3割程度、時間軸は半数近くが報告に含めており、スローガンでなく企業の価値創造=キャッシュフロー創出の指標
■マテリアリティ記載が結果的に細則主義的なものになるESRS適用レポートや、マテリアリティの有無が多種多様なその他レポートと比較し、統合報告書は、フレームワークの原則主義的な性格により、重要事項の記載箇所は集約されつつ独自性が表現可能
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