マテリアリティの特定実務並びにダブルマテリアリティ及びシングルマテリアリティとの関連性

当レポートでは、TOPIX100構成銘柄のうち、2023年12月末時点で狭義の統合報告書を発行している85社を対象に、マテリアリティ（重要課題）の特定プロセスにおける、①サステナビリティ課題（社会課題）の抽出方法、②抽出した課題の重要性評価・優先順位付けの方法に関する調査を行った。2023年6月、ISSB（国際サステナビリティ基準審議会）は、サステナビリティ開示のグローバル基準となるIFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」とIFRS S2号「気候関連開示」（以下両者を併せて「IFRSサステナビリティ報告基準」）を公表した。この基準はシングルマテリアリティの考え方を採用しており、当レポートでは、シングルマテリアリティの考え方に基づいてマテリアリティ(重要課題)を特定している事例があるかどうかも調査した。