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寄稿「なぜサステナビリティの社内浸透は難しいのか」一般社団法人サステナビリティコミュニケーション協会 代表理事 安藤 光展

■社内浸透の課題とは

 企業のサステナビリティ推進担当者の実務において難易度が高いテーマとして「サステナビリティの社内浸透」がある。国内でCSR(企業の社会的責任)が広がり始めた2003年を「CSR元年」と呼ぶことがあるのだが、当時も今でもある課題として社内浸透があるくらい古くて新しい課題の一つでもある。20年たっても決定的な解決方法が見つかっていないのも問題だと思うが、それくらい解決方法が見つけられない難題ということでもある。

 サステナビリティの社内浸透を「サステナビリティの従業員の理解促進活動」と定義するのであれば、文字通り従業員に理解してもらえるよう、インプットとなる研修や社内報およびトップによるメッセージ配信など、定期的な従業員向けの情報発信をすればよい。しかし、従業員がサステナビリティを理解し、それを日々の業務に活かしてもらうとなると、知識としてのサステナビリティだけではなく、行動指針としてのサステナビリティという側面が新たに必要となる。

 筆者はこの行動を促す取り組みこそが社内浸透の本質的な課題と考えている。つまり、サステナビリティの社内浸透の課題は・・・

    

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