
昨年6月25日開催された、みずほフィナンシャルグループの株主総会でNPOから「当会社がパリ協定及び気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同していることに留意し、パリ協定の目標に沿った投資を行うための指標および目標を含む経営戦略を記載した計画を年次報告書にて開示するという条項を、定款に規定する。」とした株主提案がなされたことが話題となった。このようなESGに関連した株主提案が欧州や米国では年々増加しており、この流れは日本でも広がると思われる。今回のコラムでは米国のトレンドを踏まえながら、今後の日本企業における株主総会の方向性を占ってみたい。
米国における株主総会概観
具体的なESG関連動向紹介の前に、今回取り上げるダウ工業株30種平均を構成する米国企業30社(以下ダウ30銘柄)を例に具体的な株主総会の概観を見て行きたい。ダウ30銘柄(注a)で見ると30社中、19社(63.3%)が12月決算である。
下記のダウ30銘柄の統計のように、期末から株主総会までの日数は約130日(4カ月強)となっており、今年前半の1月~6月に株主総会を開く(或いは開いた)企業数は、昨年8月末決算企業1社、9月末3社、12月末19社、今年の1月末3社の合計26社ある。特に、4月~6月は22社(注b)の株主総会が予定されており、現在12月と1月決算米国企業の株主総会真っただ中である。
ダウ30銘柄で見ると、10-K(日本で言う有価証券報告書)開示から株主総会まで約85日、Proxy Statement(日本でいう招集通知)開示から株主総会まで約45日となり、日本と比較すると、投資家が十分に議決権行使の判断期間があることになる。そして、議決権行使を行う議題が1社あたり6件、そのうち株主提案が2件程度あることになる。ダウ30銘柄を精査すると、株主提案の約2/3がESG関連となっている。
上記のボタンの中で、記事を読んでの感想に近いものを押してください。
(押すと色が変わります ※複数選択可)
読者の皆様からのフィードバックは執筆者の励みになります。
なお、具体的に研究員に調査してほしいテーマがありましたら、以下のコメント入力フォームからご送信ください。
※個人情報(個人名、会社名、電話番号等)は入力しないでください。
※なお返信を要する質問等につきましては、以下のお問い合わせフォームまでご連絡ください。
https://www.takara-company.co.jp/contact/