調査研究報告Research
研究員コラム
小谷主席研究員
研究員コラム「持続的成長を本当に考えていますか - 上場企業の開示を通して考える -」を発行しました

MDGsより圧倒的にポピュラーなSDGsだけれども
2000年9月にニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言について外務省のホームページには「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)は、開発分野における国際社会共通の目標である。MDGsは、極度の貧困と飢餓の撲滅など、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げ、達成期限となる2015年までに一定の成果をあげた。その内容は後継となる持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030アジェンダ)に引き継がれている。」と記してある。 この2000年9月に採択されたMDGsの目標は①極度の貧困と飢餓の撲滅、②初等教育の完全普及の達成、③ジェンダー平等推進と女性の地位向上、④乳幼児死亡率の削減、⑤妊産婦の健康の改善、⑥HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止、⑦環境の持続可能性確保、⑧開発のためのグローバルなパートナーシップの推進、の8つの目標だ。
SDGsが日本で大いに喧伝された一方で、MDGsは外交関係に縁のない企業や一般国民に認知されなかったと感じる。その理由は、MDGsは途上国に対するODAであり、国民一人一人が直接かかわりを持たない世界、一方、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っており、発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものとしてとらえているからであろう。