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調査研究報告Research

研究員コラム

小谷主席研究員

研究員コラム「サステナビリティ開示の潮流 - Beyond2020 本質的な議論をしませんか -」を発行しました

2020年サステナビリティ開示を取り巻くトレンド

2020年もあと二週間、今年は本当に様々な点において歴史的転換点となる年であった。筆者が関与しているディスクロージャーにおいても激動の一年という言葉があてはまる年に違いない。年初からの欧州での様々な動きに次いで、後半日本では9月30日には経産省から「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書」 いわゆる人材版伊藤レポートが出たが、英米では非財務情報標準化の動きとしてなど、以下の大きな動きがあった。

-9月11日、CDP、CDSB、GRI、IRC、SASBの5団体が共同で「包括的な企業報告を目指して共に歩む決意表明書(Statement of Intent to Work Together Towards Comprehensive Corporate Reporting」、

-9月30日、IFRS財団が上記5団体等との協調はするものの、独自の組織「SSB」を立ち上げるための「IFRS財団サステナビリティ・レポートに関するコンサルテーション・ペーパー(IFRS Foundation Consultation Paper on Sustainability Reporting」、

-11月6日、米国のSASB財団CEOのJanine Guillot女史が「サステナビリティ会計基準審議会(SASB)では、IFRS財団の下に新たなサステナビリティ基準審議会(SSB)を設立することを原則として支持します。」と公式にSASB財団がIFRS財団と歩調を合わせる声明、その直後

-11月10日、英国で「非財務報告の枠組みに関する英国財務報告評議会声明(FRC Statement on Non-Financial Reporting Frameworks」としてFRCの声明、そして、

-11月25日、SASBはIIRCと非財務情報開示における新しい団体としてValue Reporting Foundationを立ち上げ、IIRCとSASBの非財務情報開示を含めたフレームワークの統合を発表。

また、資金調達サイドでも、

-12月9日に債券資本市場で資金調達を行う際に、発行体が気候変動戦略について開示すべき事項についての明確なガイドラインとして国際資本市場協会(International Capital Market Association :ICMA)が「グリーン&ソーシャルボンド・プリンシプルズ、気候移行金融に関する新ガイドライン」を発表するなど、

本コラムの読者であると想定される企業の開示、総務や経理・財務担当者の方々は今年3月から本格適用となった有価証券報告書の記述情報の充実要請もあり気の抜けない一年ではなかったろうか。

    

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