調査研究報告Research
研究員コラム
小谷主席研究員
研究員コラム「原則主義か細則主義か、それが問題だ」を発行しました

どのような投資でも将来キャッシュフローの読みが重要
PEファンドと呼ばれるプライベートエクイティファンドは一般の投資ファンドとは区別されている。PEファンドは原則100%出資をして企業の経営権を取得、投資後に企業価値を向上させるべく能動的に経営に参画する。もちろん、金融機関から当該企業にノンリコースローンを出してもらい、出資部分を小さくしてリスクをヘッジするなどの方法は取るものの、PEファンドのパフォーマンスは投資する一社一社のパフォーマンスに大きく影響される。PEファンド運営者から「平凡な街のスーパーのような企業への投資を好む」と聞いた時には少し驚いた。その理由は、技術革新が激しく、大きな投資が将来必要で、業績のボラティリティが高い先端技術企業よりも、街のスーパーは将来キャッシュ・フローが読みやすいからだそうだ。一般の投資ファンドは、国、地域、産業などを分散し、パフォーマンスを上げる。従って、投資対象企業とはエンゲージメントを行って投資対象企業の企業価値向上に寄与はするが、経営そのものには議決権行使以外に直接的にタッチしない。ただ、投資した企業が得る将来キャッシュ・フローが重要である点は、PEファンドも一般の投資ファンドも同じだ。