
日本企業に浸透してきた統合思考
9月は3月決算企業の統合報告書が多く発行される月である。統合報告書の制作には、多くの情報収集とその精査が必要となるため、殆どの企業が決算から統合報告書の発行までに6~7ヵ月程度を必要としている。当研究室では、企業の情報開示における統合思考の浸透度を把握することを大きな目的として、統合報告書の発行状況を経年で調査している。その調査結果を見ると、2018年1月~12月末までに統合報告書を発行した企業(※)は465社であり、昨年同時期の調査結果から51社増加していた。参考までに、IIRC(国際統合報告評議会)から国際統合報告フレームワーク日本語版が公表された2014年に統合報告書を発行していた企業は142社であったことを考えると、ここ数年で統合思考が多くの企業に浸透してきたと言える。また、統合思考を使った情報開示であることを明確にコミットしているレポートを当研究室において「狭義の統合報告書」として選別しているが、2018年には狭義の統合報告書発行企業数が飛躍的に増加しており、統合思考を用いて対話を行おうとしている企業が増加していることも、統合思考が企業に浸透してきた証左と言えよう。なお、現在2019年1月~9月末までに発行された統合報告書を調査中であり、同調査の中間報告として10月末に開示する予定で調査を進めている。
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