宝印刷株式会社
研究員コラム
高岡裕

TOPIX構成銘柄数の絞り込みに直面する小型株のIR活動の重要性

要旨

TOPIXの見直しは小型株にとって単なる指数問題ではなく、資本市場に残れるか否かを左右する経営課題である。本稿では、その資金フローへの影響と、企業が取るべきIR戦略・資本政策について整理する。

TOPIXの見直しが及ぼす影響

 2022年4月の東証の市場区分再編を機にTOPIX構成銘柄の見直しが進められており、2026年10月より段階的ウェイト低減の初回定期入替が行われる予定である。現行のTOPIX (2025年12月末時点)に組み入れられている約1,700銘柄が次期TOPIX(2028年7月末時点)では約1,100銘柄まで絞り込まれることから、大幅な改革と言えるだろう。従来のTOPIXは「東証一部に上場していれば原則すべて組み入れ」という性格を持っており、いわば「量」を重視した指数だった。しかし今後は、流動性や時価総額といった「質」を重視した指数へと転換しようとしている。この変化は、日本株全体の国際競争力を高めるためには合理的である一方で、TOPIXからの除外が予想される小型株(時価総額千数百億円未満)の企業にとっては資本市場からの"半退場"を余儀なくされる可能性がある。

 TOPIXは日経225と並び日本株式を代表するベンチマークであり、TOPIXを基にしたパッシブファンドは2025年12月末時点で約135兆円と推定される。次期TOPIXからの除外が予想される時価総額数百~千億円程度の上場企業では、数十~百億円程度がTOPIX連動のパッシブファンド・ETFで保有されていることから、TOPIXからの除外による資金流出は株価の大幅な下落を招く可能性が高い。加えて、TOPIXを投資ユニバースとしているアクティブァンドが数多く存在することから、TOPIXからの除外によりそれらのアクティブファンドから原則投資対象とみなされなくなる。

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